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「実の妹相手にっ。言うに事欠いて、淫乱・・・っ!?」
「いや、この場合俺の発言は間違ってないだろ。なんなら変態に言い換えてもいい」
・・・自分の下着を兄貴が(少し変わった意味で)使用することを許してしまうような倒錯した女の子には、お似合いの称号だ。
「・・・! ・・・許さないっ・・・! 許さないぞーーーっ!」
事実を指摘されて激昂したらしいマイシスターは、頭から怒りの煙を噴き出しつつポケットから何やら武器を取り出す。
その右手に現れたのは主婦の強い味方、フライパンだった。
あれ?
こいつは今、実に普通な洋服のポケットに手を入れたはず。
22世紀あたりから襲来してきた青狸ロボットがその太い腹に装着している異様なポケットであるわけがない。
なら答えは一つ。
こいつのポケットは悠々フライパンを収納できるほどデカい・・・!
「・・・ってんなバカなぁぁ!?」
「き、奇声上げんなバカ! 死んじゃえぇぇぇぇぇ!」
----神の鉄槌、もとい妹のフライパンが俺の顔面に迫る。
うーん。
正直なところ。
このフライパンが直撃すると俺は死んで、物語は終わってしまうのである。
たかだか妹のフライパンごときで死ぬなんて大袈裟だと思うかも知れない。
でも兄さんは先日見てしまったのである。
明らかに120kgを超えているボディビルダーとの押しっくらで圧勝している妹を。
そんな奴が金属製の凶器を半ば本気で俺にぶちあてにきているのだ。
死ぬだろ。
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