誰よりも

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    ・・・・・・ところで皆さん。車が自分の傍らを通ったとき、多少のタイムラグを置いて車がやって来た方向から風が吹いてくる現象を体験したことがあるだろうか。 あの現象においては、風の強さは物体の体積と瞬間速度に比例する。 俺はそこまで体は大きくないが、同年代の中では平均程度だと自負している。 そんな俺が直線距離1、2mほどをほぼ一瞬で移動した。 さて、何が起こるか。 ふわり 妹の履いていたやや長めのスカートの裾が舞った。 余談だが 俺の視力は2.0程度だ。 しかし、今、この瞬間なら。 俺は5.0になれたかもしれない。 今日の妹のパンツ。 兄たる俺にとってこれほどの関心事はほとんど無いと言っていい! 白か? 水色か? はてまた桃色? いや、黒なんてアダルトな色でないとも限らない・・・! 縞パンや水玉だったら俺の脳内の画像フォルダに永久保存されることだろう・・・! 「凝視!!」 俺は今、ここで、限界を超える-----! 「い、いやっ! 見ないで!!」 涙目で叫ぶ妹の顔もいいスパイスだ・・・。 なんて変態的思考に身を委ねながらスカートというベールの向こうを全力で見つめた。 結果を言うならば 俺の予想は全て外れていた。 「へ・・・?」 妹の尻に食い込んでいる紺色の生地は、明らかにパンツによるものではなかった。 「あ・・・あぁ・・・」 涙が限界まで溜まっていた妹の目元からついに雫が流れ落ちる。 それは スクール水着というアイテムだった。 「ぶぶぶぶぶぶ!」 俺の鼻から溶岩流のように溢れ出す赤い奔流。 咄嗟に覆った手では抑え切れず、ボタボタとフローリングされた床に血が垂れる。 ・・・まさかこれは俺を仕留める秘策だというのか!?事実、大量出血(鼻からの)によって俺は立ち往生してしまっているっ! 肉を切らせて骨を断つ・・・! マイシスター、恐ろしい子! ・・・・・・驚きの事実に暴走していく思考回路。 いい感じに脳味噌がヨーグルトになってしまい、俺は『ソレ』に気付くことができなかった。 高速で飛来してくるミッ○ーのスリッパに。 スパーン!! という小気味よい音とともに俺は膝から崩れ落ちた。 最後に視界に入ったのは、涙目なまま足を大きく振り上げた状態の愛しの妹であった。 水着・・・食い・・・込んで・・・る・・・ バタリ
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