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ブチ切れた俺は怒髪天を突きつつ、修羅の形相で後ろに振り返った。
手刀を振り下ろした姿勢のままこちらを睨んでいるのはクラスメートの弓崎広樹。
すれ違った女達にアンケートをとったら10人中15人は『イケメン』と答えそうな超絶美形である。
つまり俺の敵だ。
「こんにゃろ・・・イケメンは滅ぶべきなんだよ!」
「何脈絡のねぇこと叫んでるんだお前は! てか朝の通学路でよくセクハラなんてできるなっ? いくら友達でもサツにしょっぴかれたらフォローできないぞ・・・」
「ちっ、勝手に友達だと思いやがって・・・」
「難癖つけるところがおかしいし、しかも最低なこと言ってるよお前!」
「黙れイケメン!」
「なんかそう言われるとイケメンであることが罪みたいだな!?」
「何を腑抜けたことを・・・」
「さすがにそれはないか・・・」
「罪にぃぃぃ決まっているだろうがぁぁぁぁぁ! ブサメンたちの存在を否定する、重い罪だァァァ!!」
「む、無茶苦茶だ!」
「思い上がるなよモテ男がっ! 貴様に非モテの惨めさがわかるのか?いや、わかるわけがないねぇぇぇぇぃ!」
「そうだそうだー」
「イケメンはすっこんでろー!」
「なんか敵増えた!」
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