シラン

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「本当に出て行くのね」 「ああ……俺の本職は傭兵だ。次の仕事を探しに行かないとな」 「それなんだけど……」 大きな荷物を携え、旅支度姿のアルベントに玲菜は遠慮がちに声をかける。 「うちの用心棒として雇われる気はないかしら?そうすればほら、この街にずっといられるし……」 「悪いけど嬢ちゃん……俺は一つにとどまるのが苦手なんだよ。ま、だから傭兵なんて安定しない職をしてるわけだが」 「そう……よね。ごめんなさい、変な事言って」 悲しみの入り混じった複雑な笑顔で玲菜はアルベントを見ていた。 「嬢ちゃん、手出してみろ」 「え……?」 また何かくれるのかと不思議そうな顔で玲菜は素直に右手をさしだした。
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