満月の夜に…。

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彼女は、人気の無い路地をはいり、廃墟のようなマンションらしき場所に入って行った。 「ここに…?」 一室だけ、真新しい感じのドアがあり、鍵がかかってる…。 「ん…!!!」 力を込めてドアノブを握ると、カチリと鍵が開く。 鍵を開けるなんて、バンパイアの僕にしたら朝飯前の事…。 中は暗い…。 闇の中は慣れてるから暗いのは気にならない。 更に奥に進むと月の光が当たる部屋…。 そこから、荒い息遣いと、物音、それと金属の擦れる音が聞こえる。 そこに足を踏み入れると、僕は目を疑った。 そこには、彼女が、耳と尻尾生やし、鎖に繋がれ、暴れていた。 「何?これ?どういう事?」 彼女は息を荒くしながら僕を睨みつける。 「お前!なんでついてきたんや!!!!!帰れや!!!」 彼女が唸る…。 「ねぇ、君、もしかして…。獣人…?」 「それがどうした!」 …。 「なーんだ…。僕と同じ仲間だったんだ」 「Σどういう事や!」 「僕も君と同じモンスターって事。僕の場合は吸血鬼だけどね」 彼女はふんっと笑うと、 「せやから、お前から血の匂いがしたんやな…。ほんでなんや、俺の血、吸いにきたんか。」 はあはあ言いながら訪ねる…。 「残念だけど、いくら君が処女でも、獣人の血は酷くマズイから、遠慮しとくよ…。 所で君、なんでこんな事してるの…?」
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