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まさかそんな事が出来るのか!?
いやしかし、実際に記憶が無く監禁されている。
夢とも思いたいがしかしこの状況は……そうこれは紛れもない現実なのだ。
全員困惑の表情が隠せず同時に体中から嫌な汗が吹き出す。
無論室内の温度のせいではない。
異常なのだ。何もかも……。
さっきまで喚きちらし罵り合っていた者達だが急に静かになった。
これは勘だがおそらく助けは来ないだろう。
この空間、建物の異様さがそれを解らせた。
記憶が無いからなんとも言えないが携帯は持っていたはずだ。
しかし、ポケットや上着をいくら探しても見つからない。
そう、助けを呼ぼうにも連絡手段がないのだ。
気のせいか周りのコンクリートの壁が冷たく、重々しい空気を放っているのを感じた。
「なあ、今何時かな?」
静寂の最中若者が口を開いた。
「いっ、今は17:23ですよ」
「眼鏡のおっさんあんた時計は盗られなかったんだ」
「はっ、そう言えば」
「此処に監禁させた奴はどうやら俺達に時間を教えたいらしいな」
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