135人が本棚に入れています
本棚に追加
「落ち着きなさい」
銀髪の男が一言、呟いた。
空気がピリピリ震える。
茶髪さんが、
膝から崩れ落ちる。
「…あ…紅…目…」
銀髪様が
茶髪さんに向かったとき
銀髪様の背中しか見えなかったから
どんな手品を使ったのかわかんないけど
…紅…目…??
茶髪さんはしばらくボーっとしてるから
銀髪様に聞いてみようか。
「…ねぇ」
「なニカな黒髪紅目クン♪」
黒髪の女の子たちは
茶髪さんに優しく声をかけている。
銀髪さんは何もなかったかのように
黒いコンクリートの上に座った。
「茶髪さんに何したの?」
俺は微笑んできいてみる。
銀髪様は背が高いから
見上げる形になるのが気に食わないけどね。
「黒髪紅目クンハ…
笑えナイのカな?」
「は?」
俺ちゃんと
微笑んでんですけど?
「…私ハね、心ガわカルンだ」
なんか
はぐらかされてる気がする。
「焦りトか…悲しイ、とカ…
感情ヲね。」
茶髪さんは謝りながら
泣き出した。
…泣くことは、大切だと思う。
じゃなくて。
最初のコメントを投稿しよう!