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「だいたい紅目は縁起が悪いと昔からの… … 紅目は…で、…だろうに… …」 紅目、紅目と。 今までだってうるさいヤツは、 腐るほどいた。 あるときは同情の目。 あるときは大勢の好奇の目に曝される時さえあった。 信じてた人の、裏切りで。 だからこんな しわがれ声の頭オカシイおじいさんの苦情だって 受け入れて。 受 け い れ て    し ま え ば 。 「…!… おジいサン、 …少しこノ子カラ 離れテくだサイ」 操人さんの声がいつになく 焦っている。 おじいさんの声は割と… いやめっちゃ近くで 聞こえてたから すんごく 近くにいたんだと思う。 「…なぜ離れねばならぬ」 「いいから早く」 まただ。 空気がピリピリ、 震えるこの感覚。
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