10人

22/29
前へ
/133ページ
次へ
眼鏡が操人さんの近くに行ってる。 …なんか話 はずんでるっぽいな― 女の子たちも慰めあってるし ポチはおじいさんを部屋の隅に持って行って見張ってるし。 …ヒマ。 壁に伝い、座り込んで ボーっと空を見つめる。 そんな時、 「クロさん、てよんでも… いいですか??」 ビ ク ッ として、俺は壁から背中を離した。 なんだ今の、…嫌な感じ。 目の前にいる子は 淡い桜色の、姫ほどじゃないけど腰までの長い髪の女の子だった。 毛先を包帯のようなものでぐるぐると結んでいる。 どこかの巫女のようだ 洋服も巫女みたいだし… 「…」 「ぁ…もしだめ…でしたら、なんとお呼びすれば…」 女の子が困ったような泣きそうな顔をする。 俺より少し幼い風貌に 何を怖がる必要があるんだ… 「…ぁ、…い、いいよ クロで… 君は…??」
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

135人が本棚に入れています
本棚に追加