9人が本棚に入れています
本棚に追加
「もしかして今お昼?」
「そうだが…」
「ゴメン…おやすみ」
「おいこら待て吸血鬼!」
「何?」
「お前何て名前だ」
「黒都、じゃおやすみ」
「だから待てっつってんだろーが!」
「あぁ、君は何て言う名前なの?」
「…椿」
「椿ちゃんか…、うんまた夜話そう…俺まだ眠いし」
「お前喧嘩売ってんのか」
「……椿ちゃんの血ーくれたら此処から出てもいいよ?」
「血?」
「調度お腹空いたし」
「腹膨れんのか?」
「俺達の主食だから、少しでも十分足りるんだよ」
「へぇ」
「ああ、大丈夫噛まれても吸血鬼にはならないから」
「そんな心配はしてねぇよ」
「それに椿ちゃんの血美味しそうな臭い」
「なっ…」
「くれるの?くれないの?」
「はあ…ほら、遠慮なくやれよ」
「わあ、大胆だね」
黒都はにこりと笑うと白い首筋に舌なめずりをする。そして、
ブツ―――
「っ………」
じゅる…
「…う…ぁ…」
黒都は音をたてて椿の血を貪る。
やがて満足したのか、黒都は首筋の傷をひと舐めすると椿から離れた。
「大丈夫?」
「ああ」
「ならいいけど」
「おい何処行く!」
「外に出るんでしょ?」
「…そうだったな」
「歩ける?」
「馬鹿にしてんのか」
「馬鹿にはしてない」
「俺はそこいらの人間より頑丈だ、心配すんな」
「ふぅん」
そう言いつつフラフラしながら歩く椿。
黒都は苦笑いを浮かべた。
最初のコメントを投稿しよう!