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「ねえ、真ちゃんの夢って何?」
「…考えてない」
「もう、夢ぐらい持ってなくちゃ人生楽しくないぞ。人は目標に向かう事で強く生きれるんだから」
「まだ12歳だぜ。人生の目標なんて考えた事ないだろ」
「私はあるよ」
「何だ?」
「歌手」
「…」
「私は歌手になりたい」
「なれるんじゃねえの?瑞季なら」
「ありがとう。それで真ちゃんにお願いがあるんだ」
「…何?」
「私が有名な歌手になった時には真ちゃんが曲を作ってくれない?」
「何で俺が作らないといけないんだよ」
「真ちゃんいっつも自作の曲口ずさんでるでしょ?私、あれが大好きなんだぁ。名前は?」
「ねえよ」
「ふーん、まあその時になったら決めたらいいか」
「勝手に話をすすめてないか?」
「いいじゃん、いいじゃん。ねっ、約束だよ」
「…」
「こらぁ!」
「…わかったよ」
これが6年前に俺が持月瑞季とした約束。
俺が、瑞季がこの次の日に引越したと聞いたのはそれから一週間後だった…
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