1061人が本棚に入れています
本棚に追加
同時に、さらに高熱の痛みが走り、フリーズしかけたマックの脳を復旧させる。
「うがぁぁぁぁぁ!!!」
夢中で叫びながら腕を振りまわした。
危険を感じたのか、背中に密着していた敵がやや離れた。
マックもよろめきながら敵と距離を取る。
今、マックを攻撃してくる相手はシャウプしかいない。
周囲に、味方も含め他の人間はいないからだ。
しかし息を荒げながらマックを見据える者は、今までのシャウプとは似ても似つかない姿だった。
「なんだ…これ……。」
マックは目を疑った。
鎧から出ている肌は濁った色。
黒の絵の具に白の絵の具を一滴垂らしたような、灰色とも黒色ともつかぬ微妙な色。
どうにも汚いと言わざるを得ない。
その指先は鋭利に尖っており、右手のそれからは鮮血が滴っている。
最初のコメントを投稿しよう!