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私は初めて、屋敷の外へと抜け出せた。
だけど、やはり時間はかかってしまい外に出たときにはもう、誰も屋敷の周りでは遊んでいなかった。
少し寂しかった、けれども。
けれども私は、屋敷の外に出られた。
人としての「自由」を始めて手に入れることが出来た。
自由はとても良いものだった。
素足で駆け回っても、咎められない。
地面に寝転がっても、咎められない。
衣装を汚しても、咎められない。
木に登っても、咎められない。こんな素晴らしい事を、私は知らなかった!
『ティアナ・アルトリア・ランフス皇女殿下でしょうか?』
一人ではしゃいでる私の背後に、いつの間にか黒ずくめの長身のコートの男が立っていた。
「……そうですが、貴殿は?」
さすがにいくら鈍感な私でも感づいた。
やばい…私は今日ここで、殺される。
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