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「これが・・・外・・・?」
外は何もかもが新しかった。
主と自分。それに主がかじりつく無数の書物とカタカタと五月蝿い箱。
それしか知らない彼女にとって、自らに潜む小さき者を虐げる日光さえ、初めての体験だった。
「なんだろう・・・とても気持ちがいい・・・体が軽くなったような」
ひとまず彼女を蝕んでいた無数の小さき者は彼女を離れた。
この僅かな変化でさえ、彼女にとっては確かな変化だったのだ。
何かが変わる。
その確信が、何よりも嬉しく、そして不安だった。
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