ふとん

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「あれ?わたし?」 通りすがった民家の窓から、彼女は彼女を見つける。 きっちりと整えられた台の上、その肢体はしかと収められている。 初めての仲間だった。 横には可愛らしい熊のぬいぐるみが添えられ、間接照明の柔らかな光はまるで幸せを体現しているかのようだった。 二階を眺めると、丁寧に吊るされたほかの仲間たちが、誇らしげに自分を見つめていた。 万年床だった彼女にとって、この世界はあまりにも眩しく、残酷だった。
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