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その夜、新しい主は自分を見つけてくれたあの少年であることを知る。
「わー、ふわっふわだー」
無邪気な生き物が自分へ飛び込んでくる。
自分を知ったあのとき、窓から眺め、涙するのみだったあの世界。
あの世界と同じ世界のなかにわたしはいる。
あのぬいぐるみ以上に愛らしい主人、あの間接照明よりも暖かい空気。
少し小さいけれど、木のぬくもりが存分に感じられる台。
どれをとっても自分が望んだ世界だった。
彼女は久しぶりに幸せな夜を過ごした。
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