七日目

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 潤人は勢いよくイスから立つと、客席に向けて深く一礼し、舞台袖へと走り出した。 「おおおおいっ、潤ちゃん!今の光って……」  袖で見守っていた侑が潤人に慌てて問いかけるが、潤人はそのまま走って行ってしまう。 「ごめん、ちょっと抜けさせて!!」 「えぇっ!?」  既に潤人の姿は見えない。 「何だよ、もうー!説明くらいしてけっつのー!」  頬を膨らます侑に恒汰が肩を組む。 「ま、客席は拍手喝采だからいいんじゃない?」  会場を飛び出てタクシーを捕まえる。 「病院まで!!」  物凄い剣幕で運転手にそう伝えると、祈るように両手を組む。 「菜々花……本当に消えちゃったの……?」  無意識の内に呟く言葉。  運転手は心配そうにバックミラーで後部座席を覗き込む。 「お客さん素敵な格好してるけど……結婚式か何か?あ、でも病院か……」 「あ、服……」  そこで初めて潤人は真っ白なタキシードの衣装のまま飛び出して来てしまったことに気付く。 「いや……彼女に告白したんですけど……これから返事を聞きに行く所なんです」  微笑む潤人。  それを見て運転手も安心したのか笑顔を見せた。 「そうかぁ~!でもお客さん、えらく男前だからきっとOKだよ!嬉しくってきっと病気も治っちゃうだろうね!」  運転手の明るい声に潤人も笑みを見せる。 「ありがとうございます」
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