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私を拾ったのは、上之宮という、日本帝国有数の大貴族の八番目の末女。 世界は不公平だ。 かつての私は肥溜めにいた。そして、楽園に引き上げられた。玲菜お嬢様によって。 とはいえ、召し使いとしての立ち振舞いからしゃべり方まで、徹底的に叩き込まれた。 これが意外と辛かったが、それでも楽しさがあった。いつの間にか一人称が“私”に変わっていたが……それは笑い話だ。 ただ、私は人間の皮を被った野良犬でしかないのはわきまえていた。 冷たい風が吹いている……。
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