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海里の家族は大丈夫だったのかな...
そう思いながら私は自分の家のドアを開けた。
「ハァ・・・ただいま」
返事はない。でも、もしかしたら。
リビングのドアを開けて中へ入った。
静かなリビングに、お母さんとお父さんは笑い合ったまま、表情を変えずに、止まっていた。
私は人生の終わりを見た気がした。
「・・お母..さん、お、父さ..ん。なんで皆動かないの?ねえ..なんで・・・教えてよ!!」
私の目から大量の涙が零れた。そのまましゃがみ込んだ。
どうして私と海里だけ..。
海里...
まあ願ったり叶ったりだけど、それでも恐い。
急に震えが...鳥肌が立つ。
恐い...恐い...
・・・足音が聞こえる。
・・・近づいてくる。
私は慌てて後ろを見た。
「何怖い顔してんだよ」
「・・・海里~」
海里は優しく微笑んでくれた。そして真剣な顔をして
「俺の家族も動かなかった...。だから多分動けてるのは俺等だけ。」
「...もっと遠いところへ行けば、だ、誰か動いてるかもしれないよ?」
「でも、もしそうだとしても、ここには俺等しかいない」
・・・じゃあ
「どうするの?」
海里の顔を見た。
海里はまた微笑んで、私の腕を掴んだ。
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