アリアの日記

7/8

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
~回想~ 七年前、アリアとリリアは母・ミリアに連れられて初めてのお茶会に参加しようとしていました。 『アリア、リリア。 今日のお茶会はお母様の妹のお家での小さなお茶会だから、そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。』 そう母に声を掛けられた双子の女の子、アリアとリリアはまるで天使のように可愛いらしかったのです。 ブロンドの髪におりぼんをつけて、お揃いの真っ白のフリルワンピースを着ていました。 二人は手をしっかり握りあっていて、その姿がより愛らしく見えたのです。 ただ違うのは 瞳の色だけ。 この時から、双子の間には お互いへの異常なまでの執着心と歪んだ愛情が確立していたのです。 『ほら、二人とも ご挨拶しなさい?』 『『…はじめまして、エリゼ叔母様。 『アリア』『…リリア』 と申します。 今日はお茶会に呼んで下さってありがとうございます。』 『はじめまして アリアちゃん、リリアちゃん。 ご丁寧にありがとう。 今日は楽しんでいって頂戴ね?』 今日はあなた達と会いたがってる、子ども達もいるのよ、と 言われて双子の天使は辺りを見回す… 『まぁ…! お母様にお話しは聞いていたけれど、本当に可愛らしいわ!』 そう言い、微笑みかけるのは真っ赤な瞳を持ち、髪を上品に巻き上げてドレスに身を包んでいるのは イザベラ・14歳。 『お兄様達もそう思うでしょう?』 それに答えるのは2人の美少年…ライル・15歳とシファン・16歳。 イザベラと同じ赤い髪に赤い瞳のライルは双子をみて、 『本当に天使のようだね。』とにこやかに笑う。 『…とても可愛らしいね。 はじめまして アリアちゃん、リリアちゃん。』 声変わりの途中なのか、程良い低音で囁くように話すのは 真っ黒の髪に赤い瞳を持つ、三兄弟の一番上・シファン。 思えば、この時から目をつけられていたのかもしれない… だって 『今日 君達に出逢えた記念だよ。』 そう言いながら双子が渡されたのは、薬指に嵌める、赤い薔薇をあしらった指輪。 ライルは、アリアに。 シファンは、リリアに。 手の甲に口付けをして、指輪を嵌めたのだ。 『また、逢おうね、 …愛しいお姫様達。』
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加