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「ねぇねぇ、見てみて!れいちゃん、ひかるん!」
教室内に元気な声が響き渡ります。
「朝からさわがしいですわね、なんですの?天見愛流さん」
二人のところへ、とことことこ
「ほらほらケータイ、ケータイ!」
「あ、ほんとうだ。愛流ちゃんほしがってたもんね、」
「そーなのっ。最近、世の中危ないじゃない?だからお父さんが買ってくれたの!ここまでの道程、ほんと大変だったよ」
「なにケータイごときでそんな騒いでるんですか。第一、中学二年生にもなってやっとケータイを持つほうがおかしいですわ?私なんか三歳の時にはもっていましたわ、」
「えーでも、あれだよ!最新型のQ-533だよ?」
「私はLM-073ですわ、」
と、伶奈は愛流の前にケータイをかざすのであります。
「え、伶奈ちゃん。それってもしかして…」
ひかるは、恐る恐るケータイを覗き込みます。
「そうです、再来月発売予定のケータイですわ。父の友人にcasicoの社員がいまして、もらいましたのよ!」
「さすがれいちゃん!お嬢様だね!」
「お…お嬢様っていうなー!」
赤面しながら、伶奈はさけぶのでありました。
そして同時に、教室の廊下側で声が響きます。
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