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ガチャン
「ただいまー。」
家に元気な声が響きます。
どたどたどた
階段を駆け上り、自分の部屋へ入る愛流、
「コンシェルン、コンシェルン。わーたしのコンシェルン。」
鼻歌混じりで、気分がルンルンのようです。
「人形ももらっちった!うへへ、かっちょいーぃ」
ペットボトルほどの人形を、まさぐらかえします。すると、
「うぉ、なんじゃこりゃー!」
人形の背中に、白い下地に、黒いドットもようがあるのです。
「おっと、これはどこかで見たことあるぞぉ。
えーっと
なんだっけ? 」
記憶喪失率には、自信がありました。
「あ、あれだよね!ケータイでぴぴっとするやつ!
ハンバーガーとか、安くなるんだよね!
れいちゃんよくやってる、あれだよね!
うむ、
わたしもやってみよう!」
ケータイを取り出して、人形のドット模様にかざします。
「…
ぴぴっ!」
あまりにも反応がなく、自分で言ったようです。
「なんでー、れいちゃんもひかるんも簡単にやってたのにー!こうなったら、あれに頼むしかない!
説明書ぉ
ちゃかちゃかちゃん!
えーっと、えーっと、
あ、これか。
バーコードヨミトリーダで、四角い枠に合わせ…」
ピピッ
「やった!まちわびたよ!へへへ!」
ヨミトリーダで、読み取った瞬間に、画面に奇妙なキャラがとことこ歩いてきました。
「あれ!これ、この人形の…コンシェルン?」
[ワタシの名前をつけてください]
ペンギンを催したであろうコンシェルンは、そうメッセージを画面に映し、カーソルを出していました。
「えーっと、あなたの名前は…
コンシュ!
コンシュだよ!」
ぴ、ぴぴぴ。
画面に打ち込みます。
[コンシュ。ワタシの名前はコンシュですね。
では次に、ご主人さまの名前を教えてください。]
「え、わたし?私は天見愛流だよ!」
打ち込みます。
[天見愛流。あまみあいる、ですね?これからよろしくお願いします。]
っと同時に、、
「おーい、愛流ぅ?ごはんできたよー!おりてきなさーい」
っと、一階のリビングから、声が響き渡ります
「あ、おかーさん!うん、今行くねー!」
愛流はケータイを置いて、部屋を出ていくのでありました。
リロリローン
誰もいない部屋。持ち主がいないケータイに、メッセージが一つ届きます。
[コンシュ からのメッセージ。]
天見愛流…変な名前。
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