羽ばたけ、QR

6/13
前へ
/13ページ
次へ
翌日、 「れいちゃん!ひかるん。聞いて聞いてー!私のコンシェルンね、すごいの!」 教室に元気な声が響きます。 「いまあなたにかまってる暇はありませんの!」 「にょっ!?」 教室は不穏な空気を醸し出していました。 一つの席を囲むように、人だかりができています。 「どうしたの?れいちゃん!」 「どうしたもこうしたもありませんわ!学校の掲示板で木村優奈さんへの中傷が書き込まれましたの!」 「掲示板?」 「学校での出来事や、物事を意見交換できるサイトだよ、愛流ちゃん。」 ひかるが、近寄りケータイの画面を見せます。  [ 木村優奈とかまぢねーよな。ケータイいつも見つめて、キモいよな。 つつじ  20:37 ] 「うわ、酷い。」 「ですわよね!絶対に許しませんわ!首根っこ掴んで引っ張りだしてあげますわ!」 っと、そこに晃太郎が口を挟みます。 「は、俺は言われた方も悪いと思うぜ。」 「な、上杉晃太郎さん!あなた…!」 「二人ともやめて!」 人だかりの中心にいた優奈が叫びます。 「わたし、気にしてないから。大丈夫。」 「優奈ちゃん…」 「わたしだって、先生の悪口とか言うときあるし…しかたないよ、だからさ、わたし大丈夫だよ。」 「そんな…それではいけませんわ!木村優奈さん!」 「そうだよ、れいちゃんの言うとおり!犯人みつけようよ!」 「え、でも つつじ なんて名前の子クラスにいないし…、だいたい掲示板に書く名前は偽名が多いよ。むりだよ。」 「調べて見て損はないよ!このクラスじゃなくて他のクラスかもしれないし…ダメでもともと、ダメ元だよ!」 「そうですわ!首根っこ掴んで連れてきてあげますわ!」 「昼休み、決行だね!」 「二人とも…ありがとう。」 玲奈と愛流を見て、優奈はそうつぶやくのでありました。 「っとその前に」 愛流は言います。 「みんな、 メールアドレス交換しよ。」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加