melancholic

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君がいない此の世界になんて 僕の生きる意味は皆無(なく)て でもこんなにも無情に時間(とき)は過ぎる。 雲一つない晴空は 車のフロントライトに反射して 必要以上に僕を照らす妄想が 浮いては、沈む 今は雑踏に飛び込んだ自分が分からなくなって 響々(ざわざわ)と過ぎ去る様々な声が擽ったい 誰一人として振り返らない 只、導かれるように 俯いて 足早に まるで僕を ((否、全てだろうか)) 拒絶するように 、ね 安っぽい小説の一節に ((君がいない世界は、灰色に見える)) 、とか どれだけの努力をしてみても 世界は黒には染まらない 空は青いし 抱えた君に染まる向日葵は黄色いし 街は鮮やかに((色))で埋められていて 一ピースも欠けていない ((嗚呼、欠けてはいけないんだったかな。)) 一ピースも欠けてはいない ((ギリギリの緊張感と共に)) 一つも灰色なんかに染まらないじゃないか! ((答は無いのに逆上と失笑)) 何処までも自分勝手。 自己中心的。 自己満足。 自己完結、さ。 開き直って向き直る メランコリーな自己陶酔 君がイナイと狂った僕を 停止(とめ)られるのは君だけなのに 灰色の世界が見たかった僕は 君を紅(あか)に染めてしまった。 血だ!血だ! 何にも変えられぬ生温い生きた証だ! 何にも変えられぬ君だけの色さ! 嗚呼々々 僕の名前はメランコリック=リッパー 何時までも満たされない ((否、満たされることはない)) 狂己(きょうき)に溺れた ((只、純粋な)) 愛した君が冷たくなれば 僕の望みは叶う筈さ 早く、早く、 世界よ、染まれ。 ((滑稽なのは、世界か、僕か)) ((愛していたのは、君か、空想か)) どうせ答もでやしないのだろうけど。
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