211人が本棚に入れています
本棚に追加
「一緒にかえろ~!校門で女の子待ってるけど、くるみならブチるしぃ~」
『アタシはチャライの嫌いなの!いいから帰れ!!やりちん。』
「ひどっ!ってか女の子がちん言うな!」
聞き耳持たず、回されていた腕を払いのけ、新校舎の方へ押し返すと渋々由憂は帰って行った。
・・アイツ鬼!疲れるし・・
とぼとぼ生物室まで戻ると、誰も居ない中へ入っていった。
この教室に通えるのも後3ヶ月かぁ・・
なのに明日から冬休みなんてありえね~!!
しかも明日はクリスマスイブ・・
アタシの気持ち・・伝えたかったなぁ・・
ぼんやり、あの人を思い浮かべ、黒板の方を眺めていると、
カタッ
何処からか物音がした。
『誰?誰か・・居るの?』
教室内を見回し、少しドアが開く、準備室の方が気になった。
そぉっと準備室の方に近寄り、ドアノブを掴み恐る恐る部屋を覗いた。
そこには生物の授業に使う道具や資料、3学年分の教科書が並ぶ机の横には、白衣のかかった椅子・・
そして更に部屋の奥に目を向けると、棚に隠れて今まで気付かなかった扉を見つけた。
?あの扉なんだろ・・
準備室の奥にあんなのあったっけか?
最初のコメントを投稿しよう!