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人間の心理なのか、パンドラの箱を開けたくなるかの様に、くるみは躊躇もなくその扉へ向かう・・
力強く扉を開いた!
ギキィ~
だいぶ立て付けが悪い扉は音をたてながら開いていった。
そこには沢山のパソコンや見たこともない機器、実験用のモルモットなのか、2~3個ゲージがあった・・
ゾクッー。
ただの研究室と思えばそれまでだが、何か見てはいけない様な気がしてきたくるみは急いで扉を締め、入ってきた準備室のドアに向かおうと振り返ると、そこには生物教師の渡部が居た!
『セッ・・センセ!すいません!こちらに渡部先生がいらっしゃるかと思って・・』
焦るのを悟られない様、にこやかにはぐらかす・・
そんなくるみを全て見抜く様な目で、クスリと笑いながら口を開いた。
「何か用?今日は生物部のお手伝いはお休みだよ?」
と言いながら、縁なしのメガネを左手で外し、机の上へ置き、くるみに近づいてきた。
ドキドキドキ・・
ずっとくるみがこの学校へ入学してから想いを寄せている人・・
少しだけでも近くにいるだけでこんなにドキドキしている・・
え~い!一か八か!!
二人きりの絶好のチャンスじゃない!
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