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あっという間に夏休みが終わった。目が覚めた時に皆にメールは送ったが会うのは久しぶりだ。
ほんの少しの間来てなかっただけなのに懐かしく思えた。
「瑞樹。久しぶりだねー」
里香の声に振り替える。
「心配したんだぜ。見舞いくるなとかいうしさ」
孝典はいつもと同じハスキーボイスで話す。
「だって、恥ずかしいじゃねーの。肉体美が跡形もなかったんだぜ」
誰とも話す気になれなかったからお見舞いも断っていた。
「なにそれーっ」
「はいはい。相変わらずだな…」
2人の笑い声が懐かしかった。
「みーずーきー」
「おっす!」
彩夏と颯太が小走りでやってくる。
「朝から元気だねー。」
「瑞樹も良くなってよかったよ。心配したんだからな!」
こーた、里香、孝典、彩夏、颯太、そして――俺。
いつも遊んでた仲良しグループだ。
事故る前と変わらずいつもの様に過ごす俺たち…
――何も変わらない。
ただ、こーたがいないだけ。誰一人こーたの話はしない。
少し複雑な心境だった。
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