着信

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 こーた? 嘘だろ―― 「瑞樹どーかした?」  彩夏が携帯を覗き込む。 「嘘でしょ……」  俺と彩夏の驚いた顔に皆が集まる。 「マジかよ…まさかこーたじゃないよな…」  颯太の顔がひきつってみえる。 「ありえないって…」  孝典は小さな声で呟く。 「こーたのお母さんがこーたの携帯からかけたんじゃない?」  里香の言う通りだろう。 「かけてみる」 プルルルルルッ プルルルルルッ  そして、留守電にかわる―― 「留守電になった……」  そのあと、皆は黙り込んでしまった。授業が始まってもうわの空。  こーたが俺と話したくなってかけてきたんだろうか? 電話でればよかったなぁ…  いつものように『瑞樹ひまー。遊びいこうぜー』って。  そんなことないか…  もし、こーたがかけてきたならたくさん話したい。  もう一度話したい――  俺はこーたにメールしてみた。
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