着信

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『こーた!  何やってるんだ? 早く大学こいよ! どーせ暇なんだろ。 とりあえずメールみたら電話して』  俺は何やってるんだろう…  こーたは死んだんだ。死んだこーたと話せるわけない。 10分後。 20分後。 ――30分後。  かかってくるわけないか……。俺は自分のやったことがおかしくなった。  何やってるんだ俺。 ブルルルルル ブルルルルル  机の上の携帯が小刻みに震える。 メール一通 早坂昂汰。 『30分後電話でれますか?』  ほんとにこーたなのか? 俺は『ok』と一言だけ送った。  授業が終わりこーたのいう30分後までのこり7分。  タバコに火をつけ空をぼーっとみる。皆には話さなかった。 のこり3分――  心臓がドキドキした。  ほんとにこーたなんだろうか? 約束の時間――。  かかってこねーぞ! 「こーた…お前のいるとこって、時差ねーよな?」  何かいつも時間にルーズだったこーたを思い出して笑った。
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