亜梨沙

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 待ち合わせの時間。  その場所にいくと見覚えのある携帯をもつ女の子。あのストラップは、間違いなくこーたの携帯だ。 「亜梨沙さんですか?」 「はぃ。瑞樹さんですね? 初めまして」  今思えば亜梨沙と俺の出会いはこーたの携帯からだった。 「この携帯の持ち主さん、こーたさんでしたっけ?」 「あぁ。こーただよ」 「お加減はいかがですか?」 「あぁ。元気だよ」  元気かぁ……天国で元気にやってるよな?  何故か涙がでてきた。 「瑞樹さん? どーかしましたか?」  亜梨沙は俺の顔を見て慌てていた。 「私、何かいけないこといっちゃったのかな? えっと…」  俺、かっこわり……… 「ごめん! 何でもないよ。わざわざありがとうね」  亜梨沙から携帯を受け取りその場を離れようとした。泣いているところを見られたくなかった。
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