目覚め

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 3週間後――  俺はリハビリも終わり退院した。腕の骨が折れてたらしいが寝てる間に治ったらしい。  あとは体のあちこちに傷跡が残っただけ。これだけなのになぜ2ヶ月も眠っていたんだろう…  退院して真っ先にいったのはこーたの家だった。 「俺だけ生き残って…すいません」  何故か謝らないといけない気がした。 「何言ってるの。瑞樹君が目が覚めたと聞いて…おばさんうれしかったのよ。」  涙声で話すおばさんは何だか前遊びに来た時より老けてみえた。 「さぁ、瑞樹君。こーたに会ってやって。」  ドアを開け案内される。 「こーた………」  ニッコリと笑うこーたの写真。  仏壇…… 「こーた……」  ほんとにこーたは死んだんだ。  おばさんに手渡されたティッシュで泣いていることに気が付く。 「瑞樹君、ありがとうね」  こーたはいなくなったんだ……。仏壇を見るまではまだ信じられなかった。  やっぱりほんとなんだな――
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