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どれくらいの時間こーたの写真を眺めていたんだろうか。おばさんは何も言わなかった。
「こーた。おぼえてるか? 皆で花見したの。お前、飲み過ぎて俺が連れて帰ったんだよな。先輩たち怖かったよな。
『お前達何ちまちま飲んでるんだー』って。そーいえばこれがきっかけで里香と付き合いだしたんだっけ? あの時、里香が先輩に絡まれててこーたが代わりに飲んで助けたんだよな」
俺はこーたに話しかけた…
「なんでだよ! 俺はまだお前に話したいこといっぱいあるんだよ……」
おばさんの啜り泣く声。
「瑞樹君…ありがとう。こーたも瑞樹君のような友達が出来て幸せだったわね。こーたが出来なかったことをこれからは瑞樹君がやってくれる?」
「はい……」
おばさんはまるで小さな子供にするように俺の頭を何度も撫でた。
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