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｢悪い､悪い｡
分かってるよ｡
佐野がそんな事する奴じゃないって｣
｢ごめんなさい｡
宮田先生にのせられました｣
ひとしきり笑った後､素直に謝るあたしと宮田先生｡
佐野という人は､はぁ…と大きな溜め息をついた｡
｢マジ心臓に悪いっすよ｡
俺､宮田先生にシメられると思ったじゃないですか｣
そう言った佐野という人は､ホッとしたように笑った｡
｢で､実際は何してたんだ？
先にグラウンド行けって言ったのに｣
｢何って言われても…｣
佐野という人はあたしに視線を向けた｡
確かに何と言われても返事に困る｡
だって何もしてないし｡
｢まぁ､校内でナンパはやめろよ｡
ほら､お前の後輩達がお待ちかねだぞ｣
そう言った宮田先生は､グラウンドへと足を進めた｡
その後を追いかけるように歩き出した佐野という人は､何かを思い出したかのようにあたしの所に戻ってきた｡
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