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前は2階にあったあたしの部屋。
だけど今は1階にある。
それにあたしが車椅子だから、改装してバリアフリーになっている家の中。
あたしが事故にあって苦しんでるように、家族も色々大変だったのだろう。
家族はもちろん大切だし大好き。
だけど、お父さんもお母さんも2歳年下の弟、和人(カズト)もあたしに気を遣っているのが分かる。
表には出さないけど、あたしはそこまで鈍くない。
気を遣わせる原因が自分にあるのは分かっているけど、失ったものが大き過ぎてそれに気付かないフリをしていた。
「…はぁ…」
大きな溜め息が部屋の中に響く。
分かってる。
分かってるよ、このままじゃダメな事くらい。
でも…。
「今さら…夢なんて…」
こんなあたしに見つかるはずない。
また大きな溜め息が零れた。
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