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周りの友達が車椅子のあたしに同情する中、美子だけは今までと変わらずに接してくれる。
気は遣ってると思うけど、同情とは違う本当の暖かさがあたしには嬉しかった。
家族と同じように、あたしの事を考えてくれる美子は本当に大切な親友。
だけど、あたしは美子の背中を見ながら、どす黒い感情が沸き上がってくる。
美子はあたしと同じようにずっと陸上部。
いつも一緒に走っていた。
それが、今ではこんなに変わってしまった。
当たり前のように走っている美子に、あたしは嫉妬している。
こんな風に思う自分が、物凄く嫌いだった。
「あたしって…ホント最低…」
小さな呟きは、廊下の騒めきにかき消された。
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