†第1章†~水の国~

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「ラルスよ 私はこの子らを見た時から気づいておる あんたも気づいているだろう? この子らは………………………」 「分かってる!! …………だが子供だ!!」 「この際、子供も大人も関係ない!! だったらあんたが行くのかい? 洞窟の入り口を切り開くのに何時間かかるか…… そのうちに国は水没するぞ!! この子らを信じるしかない!!」 魔女ババアは一気にまくし立てた ラルスは何かを言い返そうと 大きく息を吸い込んだが 吐き出されたのは大きなため息だった 「………分かった この子らを洞窟まで連れて行こう」 「なっ!! ラルス正気か!?」 船乗りの男は仰天したようで 大きく取り乱している 「ああ…………… これも運命なのかもな」 ラルスは意味深な言葉を呟くが 考えている暇はないようだ 「京介、翔一 よく聞きなさい」 ラルスが二人の目線まで腰を屈め 真剣に話しを始める 「正直、我々には打つ手がない この国の存続は君達にかかっている この国だけじゃない ここから出ている水路は外国まで伝わり 生活の源として使われている ………だから頼む 水晶を取ってきてくれ そしてこの国を……周りの国を救ってくれ」 ラルスの目はしっかりと二人の目を見据え 辛辣に訴えていた
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