†第1章†~水の国~

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「何かを投げ入れた というのは?」 ラルスが問う 「それこそまるでわかりません ただ、投げ入れる動作をしたのは確実です」 「おい、魔女ババア 物に魔法をかけて 術者がその場を離れても 魔法を持続させることは可能なのか?」 「術者がその場を離れる場合 むしろそのやり方が一番効果的さ」 魔女ババアは吐き捨てるように言った 「…………犯人探しは後だな まずはこのヘドロをどうにかしなくては」 男は困ったように唸った 「少年、信用していいんだな?」 京介はそう言われ しっかりと頷く 「作戦変更だな 海狩人を呼んで、噴水に投げ込まれた物を潜って取るのはどうだ?」 ラルスは男に提案する しかし男が返答する前に 魔女ババアが答えた 「無駄さ 魔法を止めるには魔法を使うしかない」 「魔法って言ったって あんたしか魔法を使える奴はいないだろう」 「そこで老いぼれ魔法使いからの提案だよ ……………あの水晶を使えばいい」 魔女ババアはラルス達に意味ありげな言葉を投げかける ラルス達は驚きの表情を見せた 京介と翔一にはなんのことだか分からなかったが ラルス達の反応を見ると その水晶を使うことが それほど異例ということだろう 「水晶ってなに? 宝石とはまた違うの?」 翔一はラルスに問う ラルスは京介と翔一にわかりやすいように この国に伝わる水晶について説明し始めた
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