†第1章†~水の国~

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「まぁ、こんな話しだ。」 ラルスは水晶にまつわる一通りの説明を終えた 「そんな水晶が…………」 翔一は驚いた顔を作る 魔術などの類が今だに信じられないのだろう 「洞窟には不思議な術がかかってるって言ってましたけど 一体どんな術なんです?」 京介が尋ねた 「さあな……… 俺は入ったことがないから分からん というより入れないんだ」 ラルスが言った 「どういうことです………?」 「洞窟の入り口が狭すぎるんだ 大人の体格じゃ入ることができない 恐らく魔術師の旅人が魔術で洞窟の入り口を塞いだんだろうな」 「なるほど!! じゃあ俺らがその洞窟に行って 水晶取ってきますよ」 翔一が元気よくラストに言う 「いや、駄目だ」 だがラストは即座にそれを否定した 「なんで? 子供の体格だったら洞窟通れるでしょ?」 「通れるかもしれんが危険すぎる 中にどんな魔術がかかっているかも分からん」 やり手の魔術師のことだ 確かに洞窟の中には危険な魔術がかかっている可能性はある 「そんなぁ…………」 翔一はつまらなそうに下を向く 「………言っておくが 国を助ける方法はそれ以外にありはせんぞ」 魔女ババアは凄みを効かせて 大人二人に言い放った
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