†第0章† クロノエルム

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「おう、お前の父さん優しいな! まさかゲーム貰えるとは夢にも思わなかったよ!」 「へへ、まあそれが父さんの仕事だからね。」 「いいなぁ~。」 ゲーム好きの翔一にとっては そんな環境にいる京介が 羨ましい限りなのだ。 しかも父親という存在がいないのだから 尚更のことである。 京介と翔一の努力の成果もあって 30分足らずでゲームを 店頭に並べることが出来た。 「よぉーし、これでいいだろう。 翔一君ありがとな。 またゲーム買いにおいで。」 「どう致しまして! また来た時はちゃんとお金払わしてもらいます。」 「今度遊びおいでよ。 うちなら新作ゲームすぐにプレイ出来るからさ。」 「ああ、じゃあまた今度な!」 翔一は少し微笑むと 手を振って外へ出た。 「うわぁ!何この人数!?」 翔一が外に出ると ゲーム屋の前には ものすごい数の人々が 蟻の行列のようにゾロゾロと並んでいたのだ。 翔一はずっと手に持っていたゲームを見つめた。 「……スゲー物貰ったな。」 そう呟くと翔一は 足早に自宅へ帰っていった。
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