甘い恋の歌

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「ね!春!お願い! 紹介してよ!!」 美姫が春を キラキラ(ギラギラ?)した目で見る。 「う~ん。」 (副長の性格から考えると そーゆーの凄く 面倒臭がりそうだしなぁ) 春は頭に土方の 仏頂面を思い浮かべた。 「一応聞いてみるけど 駄目だったら勘弁してね?」 「神!!」 美姫は春に抱きついた。 「でも美姫、美人なんだし、 大学でも沢山 良い人いるんじゃない?」 春が美姫にオズオズと言ってみる。 春に抱きついたまま、 美姫はブンブンと首を振った。 「これやこの 行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関。」 「??」 春は美姫の 言いたいことが分からず、 首を傾げる。 「この世の中で、 すれ違うだけでも凄いと思うの。 もうその人には 2度と会わないかもしれない。 だから私は 出会いを大事にしたいの! すごい確率で、 人と巡り会ってるんだから。」 美姫が必死でそう言った。 春の脳裏に 総司の笑顔がよぎった。 「出会える確率かぁ…。」 しみじみと 総司とまた会えたことの 奇跡を実感する。 「春、頼んだからね!!」 美姫は話が終わると、 手早く竹刀を組み直し始めた。
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