甘い恋の歌

6/28
前へ
/500ページ
次へ
春は泊まりに必要な物を 買ってくると言ったので 総司は先に自分の部屋に帰った。 身の回りをソワソワと適当に片付ける 京都旅行で 2晩一緒に過ごしたと言っても 自分がいつも生活している場に 春を泊めるのは また違った感じでドキドキするのだ 昼間、春の悩みを聞いたときは 正直ショックだったが、 先程の春の言葉や行動の端々で 大切に思ってもらっている事を 痛い程実感する。 (私達なら、 きっと大丈夫ですよ) 総司は1人、 温かな気持ちで春を待った。 それから少しして、 インターホンが鳴る。 「おじゃましまーす。」 春がガサガサと 買い物袋の音を立てて帰って来た 「お帰りなさい。」 総司は玄関まで出て 荷物を受け取ろうとする。 「プッ!」 と、春がいきなり笑い始めた。 「え!?なんでですか!?」 総司はニヤニヤする春を見ながら驚く 「だって、総司、 …ッなんか今の流れ 良妻って感じだったから」 「え、ぁ、確かに…///」 総司は照れて頭をかいた。 「でも、“お帰りなさい”を 言ってくれる人が総司だったら 幸せだなぁって思いました」 春が靴を脱ぎながら言った。 総司は顔が火照るのを感じる。 (この子天然タラシだよなぁ…///) 総司は額を押さえながら 春が看病に来たら 逆に熱が上がるような気がした。
/500ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4574人が本棚に入れています
本棚に追加