甘い恋の歌

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「お腹空きましたよね? 何か作りますね。 台所使っても良いですか?」 「え!作ってくれるんですか!?」 総司はパァッと笑顔になる。 「作りますよ~。 今日は総司に、 ゆっくりしてもらう為に 来たんですから」 「嬉しいです。 楽しみに待っときますね♪」 「はい!まかせて下さい!」 春は腕捲りをしながら フンッと胸をはった。 真っ白な二の腕が見えて 総司は目のやり場に困る。 「じゃぁリビングにいますから。 冷蔵庫とかも、 自由に使って結構ですよ。」 総司はそそくさと 台所を出て行った。 「さてっと。」 春は冷蔵庫を開ける。 男の1人暮らしだからだろうか。 食材はあまりなく、 がらーんとしていた。 ある物で作るので 献立は限られてくる。 「いっつも何食べてんだろ…。」 春は1人で食事する総司を 思い描きながら 料理に取りかかった。 (うわー。お団子を 夜ご飯にしてる総司を 想像してしまう。) 幕末の頃から 総司は甘味に目が無いのだ。 (後で聞いてみよう…。) 妙な想像を打ち消して 春は手際良く調理を進めた。
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