甘い恋の歌

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「いただきます。」 総司はクスクス笑ったまま 料理を口に運ぶ。 なるほど、春の手料理は なかなかのものだった。 「美味しいなぁ」 総司が食事中 何度も嬉しそうに言うので、 春の機嫌もすっかり良くなる。 「総司はいつも1人のとき 何食べてるんですか?」 春は先程疑問に 思ったことを聞いてみた。 「んー。お菓子とかですかねぇ」 「やっぱり!?」 春は驚いて箸を止める。 「やっぱりとはなんです?」 「え、いや、その。 昔から甘味が好きだったから…」 「嫌だなぁ。冗談ですよ。 毎日お菓子食べる訳 ないじゃないですか。」 「え。じゃぁ自分で 作ったりするんですか??」 「えぇ、まぁ。」 少しはにかんで総司は笑う。 (うわぁ。総司が エプロンとかなんか良いなぁ) 春は料理をする総司を妄想して ポーッとなった。 「例えば何が作れます?」 興味津々で春は聞いてみる。 「んー。」 総司は可愛らしく小首を傾げて 少し考えた後。 「卵焼きとか目玉焼きとか ゆで卵とかスクランブルエッグとか?」 ニッコリと笑う。 「卵ばっかじゃないですか。 他には何かないんですか?」 「あぁ。少し高度になると オムレツがありますね。」 「卵から離れて下さいよ。」 春はげんなりする。 「じゃぁあれだ! ホットケーキがありました! 私ひっくり返すの 上手いんですよ~♪」 「それご飯じゃないです… まったく、 何てもの食べてるんですか…」
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