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その後春がキッチンで
食器を洗っていると
総司の笑い声が聞こえた。
(テレビでも見てんのかな?)
手に泡がついたまま
顔だけリビングに出す。
「本当ですってば~。」
すると総司は楽しそうに
携帯で電話中だった。
相手は…
総司のあのニヤニヤ顔を見れば分かる
「副長にかけてるんだ。」
春はすぐにピンときた。
手の泡を洗い落とし
総司の傍に駆け寄る。
「美姫のこと頼むんで
お話済んだら
変わってもらって良いですか?」
小声で総司に告げる。
総司はチラリと春を見て
コクコクと頷いた。
「えー。どこまで私を
信用してないんですかぁ?
土方さんにとって私は
一番信頼できる男だと
思うんだけどなぁ。」
総司はクスクスと笑う。
(ホント楽しそう…。)
春もそんな総司を見ると
自然に顔が緩んでいた。
「あ。少し春に変わりますね?」
しばらくして総司は
そう言って携帯を春に差し出す。
春が受け取ろうと
手を伸ばしているときに
[あぁん!?ちょっと待て!!
なんで春がそこにいるんだ!]
電話口で土方が叫ぶのが聞こえた
「あ!」
春は小さく声をあげる。
(これじゃぁ泊まりに
来てることバレバレじゃん///)
別にバレても良いのだが
やはりどこか気恥ずかしい。
(わー。バカバカ!!何も考えずに
変わってって言っちゃった。
しかも総司は
あたしが来てること
言ってなかったのー!?)
↑
もちろん総司は確信犯。
春はギクシャクとした声で
「も、もしもし…。春デス…」
電話を耳に当てた。
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