甘い恋の歌

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春がボーっとしていると、 [彼女さーん!! 総司のこと頼みますねー!!] 何を言っているか はっきり聞き取れるほど、 電話口から一際大きな声がした。 総司は顔をしかめて 受話器から耳を離している。 そこで電話は切れたらしい。 総司が一息ついて携帯を手放す。 「誰からですか?」 春は何気なく聞いたが、 内心あまり穏やかではない。 (“総司”って呼んでた!! しかも“頼む”って… なんか上から目線じゃない!?) 「実験班で一緒の子です。 何人かで飲んでたらしくて 私も来ないかって…。」 「行きませんよねッ!?」 春が間髪入れずに聞く。 「何言ってるんですか。 断ってたの聞いてたでしょう?」 総司はクスクスと笑った。 「春はヤキモチ焼きで困るなぁ~」 「ばっ///!! そんなんじゃありません!! 早く寝てください!!」 春は無理矢理 総司を布団に押し込む。 「病人なのにー。 優しくしてくださいよ。」 総司はしばらく グズグズ言っていたが どうやらまだ熱が高いらしく ベッドに入ると すぐにうつらうつらし始めた。
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