片思い

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「さて、と… ここまで来れば大丈夫かな?」 人気のない校舎裏まで来て、 ようやく実体総司は手を離した。 「えっと…、あの。」 春がシドロモドロしているのを見て 実体総司が笑いながら言う。 「あんなに人がいたら 話しにくいですよねぇ。 それに、私も困ってたんです。 図書館行きたいのに 女子に捕まっちゃってて」 利用しちゃってすいません。 と、総司ははにかんだ。 「で、何の用事ですか?」 総司が切り出す。 「えっ!?」 (こういう時って 何聞けばいいのー??) 恋愛経験が 幕末を除いてゼロに等しい春は 何も思い浮かばない。 メアドを聞く、とか 一般的な事も閃かないようだ。 「ん? 本当に稽古についてだった?」 総司がニコニコと 春を覗きこんでくる。 (それだ!!) 「そーなんデス。稽古について! あたし昨日、 沖田先せ…先輩とは 試合できなかったから 早くしたくて!」
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