時をこえて

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「面あり!水無月!」 ワァッと歓声が上がる。 「なんだなんだ」 「高校全国一の例の新入部員が 部内試合してるらしい。」 「しかも女子なのに、 男子部員に 勝ちまくりらしーぜ。」 「まじかよ! どんだけゴツイ女か 見に行ってみよーよ!!」 といった具合に 武道場に、学生が 押し寄せている。 「水無月! お前が強いのは分かった! ギャラリーが凄いから ここらへんにしとこう。」 「は、はい!すいません!」 顧問に下がるよう言われて 春は慌てて返事をする。 (先輩相手に 調子乗りすぎた!?) そして、 春が面を取った途端 ギャラリーは言葉を失った。 「キレイ…。」 「なんて美しいの…。」 「やべ、オレ一目惚れた…。」 サラサラの長い黒髪。 真っ白な肌。 長いまつげ。 桜色の唇。 平成の女剣士 水無月春。 彼女も今年で 19歳である。 不思議な体験から約2年。 彼女は精一杯生きていた。image=356570479.jpg
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