仲間と記憶

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「恋愛に まったく無縁だった春が?」 「初恋もまだだった春が!?」 「そんな春が 昨日の今日で、イキナリ彼氏!?」 3人に次々と言われる。 みんな春とは中学からの仲だ。 春がいかに色恋に疎いのか 知っているのだ。 (初恋は2年前だもん…幕末で…) などと言い返せる訳もなく 春は赤くなりながらうつむく。 優がそんな春を見て言った。 「春やるじゃん~☆ しかも相手は超イケメン、 我が校のプリンスと噂される あの沖田総司!!」 優は情報通で、 春以上にサバけた性格だ。 金髪に、耳まで見えるショートヘア。 その耳には左右合わせて 7つのピアスホールがある。 「え!?そうなの!?」 春は驚いた。 (うひゃー。 沖田先生、現代では そんな人気者だったんだ!) 「「「知らなかったの!?」」」」 また3人が声を揃えた。 「私と都でも知ってるよ。」 美姫があきれながら言う。 「そんな噂も知らずに どーゆー経緯で好きになって どーゆー流れで、そんな急に 付き合う事になったのよ?」 都が聞いてくる。 都は恋愛に関しては百戦錬磨だ。 可愛らしい声(萌え声)。 ウルウルの瞳。か細い手足。 男子が守ってあげたい!! と思うタイプ。 でも以外と毒舌だ。 殊に恋愛に関しては手厳しい。 今の質問も カナリ痛い所をついている。 「それは…。」 春は言い淀む。 (150年以上前から恋人です☆) では理由にならないし、 信じてもらえないし、 頭がオカシイと思われてしまう。
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