時をこえて

3/9

4574人が本棚に入れています
本棚に追加
/500ページ
ギャラリーで一杯の 玄関から バタバタと足音が響いた。 「すいません!遅れました!」 誰か駆け込んでくる。 部員の1人だろう。 「おぅ。沖田!!」 (沖田!?) 春は“あの人”と 同じ名前を聞いただけで ドキンとする。 「早くお前も着替えろ! お前以外の男子部員が 女の新入部員に やられちまったんだ」 「えぇ~!!うそでしょう!?」 (この声…。) 春はあまりにも 似すぎている声に驚く。 (まさか、そんな訳ないよね…) 男子学生が、近づいてくる。 「あなたが噂の 新入部員ですか?」 問いかけられて 春は顔を上げた。 「沖ッ!?」 息が止まるかと思った。 そこにいたのは…。 まぎれもなく “あの人”だったから。 「初めまして。 理学部2年の沖田総司です。」 あの時と変わらない笑顔で 総司がニッコリ笑った。
/500ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4574人が本棚に入れています
本棚に追加