仲間と記憶

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「コーヒーでいいですか??」 総司が台所から聞いてくる。 「はい。おかまいなく。」 春は総司の部屋について テーブルの傍に座り 室内を見回しながら答えた。 (き、キレイ…。) 総司の部屋は 男の1人暮らしとは思えないほど 片付いていた。 というより、 物が必要最低限しかないのだ。 春の部屋も、汚い訳ではないが、 この部屋に比べると いらない物で溢れているだろう。 家具はシンプルにまとめられ、 ソファとベットがあり、とてもくつろげる空間になっている。 「こんなに綺麗な部屋みたら、 あたしの部屋見せられません」 春がケトルとカップを持って テーブルにやってきた総司に言った 「えぇ?大丈夫ですよー。 てか、もう1度見てますし。」 総司がニコニコ笑いながら カップにお湯を注ぐ。 「え!?いつ!? 家来たことないですよね??」 「嫌だなぁ。思念の時に、 部屋に入ったじゃないですかぁ。 忘れんぼサンですねー。」 「げ。」 春が愕然とすると、 「そんなに汚くなかったですよ」 と、総司が春にコーヒーを差し出した (“そんなに”なんて~泣) 春はがっかりと肩を落とした後 ふと気づいた。 「ちょっと待って下さい。 思念の時の記憶も ばっちり覚えてるんですか?」 「?…えぇ。」 総司がキョトンと頷く。 「じゃぁ更衣室に 入ってきたことも!?」
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